今回はTOEICについてお話しいたします。
TOEICというのは、スコアが高ければ英語力が高い。
スコアが低ければ英語力が低い。
と単純に考えられ勝ちですが、意外とそうでもなかったりするんです。
「普段の学習は問題を解くことばかり、という方」
「英語学習はちゃんとしるはずなのに、TOEICを受けてみたらスコアが低くて
落ち込んでいる方」
こんな方には、ぜひお聞きいただきたい話になります。
■TOEICはスコア制
まずは、TOEICについて簡単におさらいしておきましょう。
TOEICは英検とは違い、スコアがそのまま資格になります。
英検は「何点以上とれば合格」というシステムで、
持っている級によって判断されます。
なので、合格点以上であれば、何点でも「合格」
合格点に到達しなければ、何点でも「不合格」
その上、「級」というのも、あいまいな指標なので、
イマイチ、自分の実力がわかりづらいです。
しかし、TOEICは全員が同じ試験を受けて、
その点数が、そのまま資格になります。
800点とった人は、「TOEIC 800」が資格。
720点とった人は、「TOEIC 720」が資格。
ということになります。
なので、「あー、なるほど800の人の方が上だな。その差は80点か」と一目瞭然
なのです。
■でも、必ずしもスコア=実力ではない…
今までの話を聞くと、TOEICというのは、
「完全に客観的に英語力をはかれる試験」
のように聞こえます。
確かに、そういう側面もあるのですが、
残念ながら、そうとは言えない面も多くあるのです。
私も自分自身の英語学習経験、今までに、9年以上にわたって、10,600名以上の
方に英語指導をさせていただいた経験上感じるのですが、
「英語の質問内容や理解度からすると、かなり英語力があるのがわかるのだが、
スコアを聞いてみると、"え? もっと取れそうだけどなぁ"と感じる人」
がいる一方、
「スコアを聞いてみると高いスコアを持っているのだが、質問内容を聞いている
と、"え? こんなスコア持ってるのに、これを知らないの?"と感じる人」
もいます。
世間でも、「TOEICが万能ではない」というのは、たまに聞く話で、
「TOEIC 800なのに、まったく英語が話せない」
「仕事でバリバリ英語を使ってるのに、600もいかない」
という話をよく聞きます。
これは、「TOEICが試験である」ことによって起こることで、
残念ながら、「TOEICのスコア=実力」ではないことも多いのです。
しかし、「スコア=実力」と完全に信じきってしまっているために、
・「英語力アップ」が目的だったのに、
いつの間にか、TOEICにばかり固執してしまう人
・普段、英語学習をコツコツやっていて、ポッとTOEICを受けてみたら、スコア
が思ったほど出ずに、「自分はこんなものなのか」と落ち込んでしまう人
が見受けられますが、それは本当にもったいない話です。
■スコア≠実力の理由、その1
では、なぜ、スコアと実力が必ずしも一致しないケースがあるかと言うと、
それには様々な要因があります。
その中で、一番わかりやすいのは、
「TOEICには、スピーキングとライティングの試験がない」
という点でしょう。
正確に言うと、「ない」わけではなく、
TOEICとは別に、「TOEIC SW」というのがあり、
こちらを受ければ、スピーキングとライティングの力をはかれます。
しかし、TOEICとは別の試験ですし、認知度が極めて低く、
今回初めて聞いた方もかなり多いはずです。
なので、
「スピーキングとライティングはまったく鍛えていない人であれば、
TOEICで高得点を持っていても、スピーキングとライティングはできない」
逆に、
「仕事で、スピーキングやライティングを使う人でも、
TOEIC用の勉強をしていなければ、そこまで高いスコアを取れない」
ということになる可能性があるわけです。
現に、私がTOEIC 700を持っていた時点では、英会話に関しては始めたばかり。
挨拶や「私は○○が好き」とか、非常に簡単な会話しかできませんでした。
議論や自分の意見を言えるレベルではなかったですし、
とてもじゃないですが、仕事で使えるようなレベルではありませんでした。
ライティングに関しては、やりはじめたのがTOEIC 900を取った後で、
その前には一切やっていなかったので、900を持っていた時点でも、
日記すら書けませんでした。
今でこそ、英会話は日常会話なら問題なくできますし、
ライティングも、大学の卒業論文を英語で書くまでに至りました。
でも、700や900を持っていた当時の私は、
スピーキングとライティングは、スコア相当とは言えない部分があったのです
逆に、800の人でも、翻訳者として生計を立てている人に会ったことがあります
し、600を切っていても、仕事で英語を話している人にも会ったことがあります
英会話やライティングの下地として、語彙、英文法、リスニングは必要です。
そして、この3つは、TOEICではかられます。
なので、まったく指標にならないわけではありません。
例えば、「特別にスピーキングの練習をしているわけではない」人同士だったら
600の人より、800の人の方が、英会話はできるはずです。
また、必ずしもスコアと一致しないとは言え、
英語がしゃべれたり、ライティングができるのなら、平均を大きく下回るスコア
を取ることはないはずです。(例えば、400など)
でも、「スピーキングの練習をしている600点」と、
「スピーキングの練習をしていない800点」だったら、
600の人の方が上の可能性は十分にあります。
■スコア≠実力の理由、その2
そして、もう1つある、大きな要因は、
「TOEICが試験だから」
ということにあります。
「TOEICは英語力をはかる試験」というのはあくまで理想論。
現実的には、「試験のテクニック」というものも問われます。
例えば、↓の問題、
I had a great time ------ the party at the Jones.
(A) during
(B) while
(C) meanwhile
(D) for a while
答えはAなのですが、この問題を解ける人は、それなりにいるはずです。
ただ、
「解けなかった人が全員、この問題で問われている知識がないか?」
と言うと、必ずしもそうではありません。
この問題を、解説させていただくと、
(ここから)
空欄の後ろに名詞がありますね。
名詞というのは、S、O、C、前置詞の後ろの名詞の4パターンのいずれとして
しか存在できません。
the partyというのは名詞なので、
この4つのいずれかでなくてはなりません。
場所的にSはあり得ませんし、
hadは第3文型で使われているので、Cはない。
Oはありますが、a great timeがすでに入っています。
ということは、入れられるのは、前置詞の後ろの名詞、という場合のみ。
ということは、空欄にはthe partyとセットになる前置詞が必要です。
選択肢を見ると、前置詞なのはAだけ。
なので、答えはAのduringになります。
Bのwhileは、意味はduringと同じ「〜の間」ですが、
品詞が従属接続詞。
Cのmeanwhile、Dのfor a whileは両方とも副詞ですし、意味を違います。
なので、いずれも前置詞ではなく、当てはまりません。
(ここまで)
解説を聞いて、解けなかった人でも、
「あー、そういうことね。それなら知ってるよ。
知ってるけど、解き方ってのがわからないんだよなぁ」
と思った方も多いはずです。
問題はここにあります。
試験という形を取っている以上、
英語の力があるだけでは不十分で、「解ける技術」が必要なのです。
また、TOEICというのは、非常に問題が多い試験。
なので、ゆっくり解いていたら時間がなくなってしまうので、
素早く解く必要があるのです。
早い話、
「知識があるだけ」でもダメ
「知識があって、解けるだけ」でもダメ
「知識があって、速く解ける」じゃないとダメなんです。
ところが、普通に英語学習をしている方は、
普段はそんなトレーニングをつんでいません。
なので、普段ちゃーんと英語学習をしている方でも、
あまり準備せずに、ポンとTOEICを受けると、
「え? この程度なの!?」
と思ったほどスコアが伸びず、落胆してしまうことがあるというわけです。
■上記の理由を悪用(?)して、高スコアを取る人も
「試験に慣れていないがゆえに、スコアを落としてしまう人」
がいる一方、逆に、
「対策をしたために、実力以上にスコアを取ってしまう人」
というのもいます。
TOEICを普段受けない人からすると信じられないかもしれませんが、
世の中には、TOEICを年に8回も受ける人がけっこういます。
(要するに、公開テストすべてですね)
そして、普段は、とにかく問題を解くことで勉強しています。
別にこれ自体は悪いことではありません。
しかし、これだけ問題を解く経験を重ねると、
ある程度、「パターン」というものが見えて来ます。
そうすると、
「この問題、まったく理解はしていないんだけど、
こういうパターンのときは、これが答えになるんだよな」
と、英語力がないのに、問題に正解してしまえることがあるのです。
例えば、先ほどの問題でも、
「パッと正解は選べたけど、理由はよくわからない。
解説を聞いてもよくわからない」
という人が意外といるものなのです。
ただ、残念ながら、これは実力で取ったスコアとは言えない面があります。
なので、本当に極端な人だと、
「800点だけど、英語ニュースはまったく聞き取れず、
英字新聞も全然読めない」
なんて人もいます。
■あくまで目標は「英語力アップ」
これまでの話でわかるように、
・スピーキングやライティングは、はかられていない
・テクニックも必要
という側面があるので、TOEICのスコアは必ずしも英語力を反映しているわけで
はないのです。
しかし、「スコア=英語力」と思ってしまっている方が多いので、
「英語力アップの学習がいつの間にか、TOEICのための勉強に変わっていた」
「英語はちゃんとやっているはずなのに、TOEICのスコアが低くてショック」
なんてことになってしまうわけです。
「英語力アップなんかしたくないよ。
仕事でTOEIC取れって言うから、受けてるだけだ」
という場合は別ですが、ちゃんと英語力もアップさせたい方は、
「普段は英語力アップのための英語学習をする!
ただ、テクニックも必要なので、試験直前はTOEIC対策をする」
と、しっかりとバランスを取って、
「あくまで、目標は英語力アップ」
というのを忘れずにやっていくことが大切です。
以上が今回のお話になります。
必ずしも、スコアと英語力は一致しません。
私が、TOEIC 990(満点)を取ったのも、
スコアアップのためにやってきたのではなく、
英語力アップのためにやってきた結果なのです。
しっかりと英語力をつけるために、
リーディングを学習したい方は、冒頭でお話させていただいた、
「1年でTOEIC 900! 英語真っすぐリーディング講座」
→<
http://51.thebelltree.com/reading35.htm >
がお役に立てれば幸いです。
(締切が明日14日(木)と迫っておりますので、お急ぎください)
最後までお読みいただきありがとうございました。
皆様、今後とも英語学習をがんばって行きましょう!
今回は、TOEICの点数別に、どのような対策をしたいいのかをお話しいたします■5...
今回は、「英語の才能」という、ちょっと概念的なお話です。■英語の才能がないから?...
今回は、・学校の英語の授業では習わないこと・しかも、多くの教材でも教えてくれない...
今回はTOEICの550〜750ぐらいで壁に当たった場合のお話をいたします。現在...
今回は、リーディングの読み方として有名な「スラッシュリーディング」についてのお話...
今回は初心者向けのTOEIC対策のお話をいたします。※:あくまで主観ではあります...
今回は、TOEICのお話をしたいと思います。■TOEICは英語学習の動機としては...
英語を読む方法として、学校で習うのが、英語を日本語に訳して読む方法です。しかし、...
今回は初心者の方向けのお話をいたしますね。初心者向けではありますが、中級者の方も...
今回は、TOEICのお話をいたしますね。具体的には、中級者、スコアで言うと、大体...
今回はTOEICについてお話しいたします。TOEICというのは、スコアが高ければ...
最近は、どちらかと言うと、TOEIC向けのお話が多かったですが、今回は、英会話に...
今回は、英文法が、語彙やリスニングと言った、ほかの分野に与える影響をお話いたしま...
本日は祝日なので、いつもより早めの配送で、内容も多少短めにしてお届けさせていただ...
今回は英語学習、特に初心者向けのお話になります。■できないから恥ずかしい?「英語...
今回は英語学習全般に関するお話です。「英語は、暗記してナンボ」「英語は、とにかく...
今回は、TOEICについてのお話です。■TOEICは優れた試験ですTOEICと言...
今回は、英語学習の初心者向けのお話をいたします。※:あくまで、主観的な基準ではあ...
今回は英文法についてお話しいたします。■もちろん意味は大切ですが…ほとんどの方は...